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貴重な情報が詰まった本なれど、活用は難しいかも 『バラの病気と害虫 見分け方と防ぎ方』





病害虫の専門家が記した貴重な本

2005年の初版。
バラに発生する病気と害虫に特化した、珍しい内容の本です。

著者の長井雄治氏は千葉県農業試験場などで病害虫を研究した専門家です。

著者の趣味であるバラ栽培と生業である病害虫研究のコラボレーションと言ったところでしょうか。
バラの病害虫だけに的を絞った本は、本書と本書の改訂版とも言える『病害虫を防いで楽しいバラづくり』だけではないでしょうか。

内容は流石に専門的です

病害虫の専門家が執筆した本だけあって、内容は専門的です。
被害症状・生態・耕種的防除・薬剤に依る防除と言った流れで説明が進んでいきます。

内容的には生物学的でもあり、生態や環境に則した防除方法が記載されています。

各病気や害虫に対して、これだけの情報をまとめた本は他には無いでしょう。
そういった意味では大変タメになり、知識として持っておいて損はありません。

実際の防除にどう役立てるか

記載されている情報は貴重なれど、実際の防除(薬剤散布)にどのように応用出来るかと言う点では今ひとつの感があります。

病害虫毎の記載なので、相互的にどうやって連携させるかを読み取るのは初心者には困難だと感じられます。
実際のローテーション、系統ごとの使い分けと言った、より実践的な記載が欲しかったところです。

本書を普通に読んでしまうと、各々の病害虫に対しては理解できますが、「へえ~、そうなんだ」というレベルで終わってしまうような気がします。

決して農薬散布を推奨しているわけではありません

病害虫の本ということで、とかく薬散を薦める本なのかと思っていましたが、実際は農薬散布を最小限にさせるための内容です。

記述の多くを耕種的防除に充て、発生させにくい環境を如何に作るかという点に注力しています。
その上で、防ぎきれない病害虫は薬剤散布で対応しましょうというのが基本スタンスになっているようです。

農薬散布の方法については特に目新しいことはありません

実際の農薬散布方法についても、確かにしっかりと纏まっては居ますが、実践的な内容ではありません。

大体ネット上でも既に多くの方が書かれている内容の集大成的な記載となっています。

本当に初心者の方には役立つ内容かもしれませんが、すでに病害虫防除に勤しんでおられるかからすると、ちょっと消化不良になるかもしれません。

最後に

既に記したとおりですが、病害虫に関する情報量としてはピカイチです。
各々の病気や害虫について理解を深めたいという方にはオススメできる本です。

しかしながら、初心者の人がこの本を見ながら適切な防除に関する理解を得るには難しいかもしれません。

既に病害虫防除についての経験は十分にあるが、病害虫そのものについての理解を深めたいという方には本書は良書となるでしょう。
また、現在の病害虫対策が適切であるか確認したいという方にもオススメできそうです。

ネットでの評判が大変良い本だったので、かなり期待をして読んだということもあるのかもしれませんが、完全網羅という程の濃さではありませんし、初心者向けでもありません。
しかしながら、情報としては豊富なため、一度読んでおくのは大変良いと思います。

今の薬剤散布で思うように効果が現れない時に読み返して、より良い散布方法を模索するには有益な本だと思います。




農薬の使用については必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従って正しく使用してください。


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